2021年12月16日木曜日

メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年 (大阪市立美術館)

美術館展の改修で、けっこうなアートがやってきたらしい。嬉しいことやね。
30年以上前になりますが、ニュー・ヨークに行ったときに訪れました。やっぱ1日じゃ足りないくらいでしたね。
イギリスやフランスの美術館と違って、王侯が力ずくで奪ってきたものじゃなくて、今を時めくアメリカの実業家が金にものを言わせて集めてきたものですよね。いいものが集まるでしょう。

ニュー・ヨークには現代美術館(MOMA)がありますので、必然的にオーセンティックなものが中心になります。

この展覧会では、西洋絵画を3つのテーマに分けて展示されています。

  1. 信仰とルネサンス (~16世紀)
  2. 絶対主義と啓蒙主義の時代 (17~18世紀)
  3. 革命と人々のための芸術 (19世紀)

1.はアンジェリコ、ラファエロ、ホルバイン、クラーナハ、エル・グレコ、テッツィアーノらの30点。ヨーロッパの人って、いかにキリスト教に支配されていたのか、というのをアート作品を見ると分かります。暗喩的表現なんて、僕には分かりません。

2.はルーベンス、ベラスケス、ムリーリョ、カラヴァッジョ、ラ・トゥール、プッサン、ブーエ、ロラン、フェルメール、レンブラント、ヤン・ステーン、ヴァトー、ブーシェ、フラナゴールら30点。
やはりここではカラヴァッジョでしょう。「音楽家たち」はその後のカラヴァッジョの活躍を示唆しています。
それとこの時代はオランダの写実主義絵画が圧巻ですね。

3.はターナー、コロー、マネ、ルノワール、モネ、ドガ、ゴーガン、ゴッホ、セザンヌ、シスレーら、一気に印象派、ポスト印象派の時代になります。だいぶ自由になってきましたね。

僕がすごいな、と思ったのは次の4点。

グイド・カニャッチ「クレオパトラの死」Guido Cagnacci "The Death of Cleopatra"


シモン・ヴーエ「ギターを弾く女性」
Simon Vouet "Woman Playing a Guitar"


エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン「ラ・シャトル伯爵夫人」
Elisabeth Louise Vigée Le Brun "Comtesse de la Châtre"



アルフレッド・シスレー「ヴィルヌーヴ=ラ=ガレンヌの橋」
Alfred Sisley "The Bridge at Villeneuve-la-Garenne"


前2作はカラヴァッジョの影響が大です。ドラマチックな陰影がいいです。