目玉の一つですからね。
引き伸ばされた頭部、極端に長い首、時にパステル・カラーに塗りつぶされた目、独特の赤茶色の使い方、彼の絵は一眼見て彼の絵と分かる本当のオリジネータだと思います。
常識なのかもしれませんが、これらが彫刻、特にアフリカのプリミティブな仮面や彫刻から着想を得ていることがよく分かりました。
基本的に Modigliani は彫刻家をめざしていたそうで、その夢破れて絵画に回帰したようです。
絵画に回帰したのが1914年で亡くなるのが1920年なので、ほんの数年に大量の傑作を生み出したことになります。
やっぱり、芸は量ですね。
それと、アフリカの民族工芸の影響も大きそうでした。
同時代の Picasso もアフリカに興味を持っていたように、時代の波に敏感だったのかもしれません。
彫刻への傾倒とアフリカ嗜好をうまく昇華させて独特の芸術に結実させていくところが、やはり天才なんでしょうね。
Amedeo Modigliani はエコール・ド・パリの一人のように言われますが、この展覧会では彼と同時代に生きた、パリに集まってきた若き芸術家の絵もたくさん取り上げています。
Pablo Picasso, Marie Laurencin, Andre Derain, Moïse Kisling.....
中でも一番良かったのは、Marc Chagall の絵でした。Modigliani とは同じユダヤ系で外国から来たという点で親交があったようです。
いわゆる Chagall 的な色彩が完成する前ですが、浮遊する人などはすでにオリジナリティの萌芽が見られます。
Modigliani も大きく感化されたことでしょう。
Jeanne Hébuterne の悲恋のストーリーも紹介されていて、それを知っての Jeanne Hébuterne の肖像を見ると感慨深いものがあります。