これがプロの技か!美術品というより工芸品。まあ細かい、繊細、手抜き一切なし。
これだけディテールにこだわって、全体のバランスが崩れていないのもすばらしい。
髪の毛一本一本、かんざし、和服の文様、帯、指先、すだれ、店先...
こりゃ実物じゃないと伝わり切りません。
「築地明石町」の主人公の瞼の線を、拡大して初めて気がつきました。よりクール・ビューティが映えます。
「ためさるゝ日」の髪飾りの鎖の輪を細かく描いているのを見たとき(遠目にはひもに見えました)、「浜町河岸」のかんざしのリアルさに気づいたとき、「露の干ぬ間」の完璧な竹の描写を観たとき。
細かいところまで見ることができたのは、新しく購入した単眼鏡のおかげです。
西洋美術の細かいところを見ても驚いたりしませんでしたが、今回の鏑木先生の絵は、それこそ「神は細部に宿る」です。本当に驚きました。
こんなに精魂を込めた絵を何枚も書けるのってものすごいことだなと改めて、画家の胆力を感じました。僕なら途中で嫌になりそう。
しかも、それほど登場しない花や竹などの植物も完璧に描き分けていて、これって何なんでしょう、才能ですか?ものすごい鍛錬ですか?
神業です。