もう1年になるのかぁ。中之島美術館は開館以来いい企画を連発してくれてます。
今回は、明治から昭和に至る近代大阪の日本画に焦点を当てたわけですが、「大阪の」というのは大阪で作られた、といった意味が強いでしょうか。
正直あまりなじみのない作家さんが多いのですが、すばらしい作品が多くありました。
伝統を忠実に受け継ごうというモーメントと、伝統からはみ出して新しいものを生み出そうというモーメントの両方が感じられました。
特に後者は、明治以降の油絵の輸入による表現技術や構図の多様化からの影響が強く感じられます。
「大阪」という地域特性を他と比べる知識がないのですが、船場派というのが一番大阪らしいのでしょうか。商人が発注してお題に基づき作品を作る、というプロセスから、大阪人のセンスが感じられ、装飾性の高さが伺えます。
- 第1章 ひとを描くー北野恒富とその門下
- 第2章 文化を描くー菅楯彦、生田花朝
- 第3章 新たなる山水を描くー矢野橋村と新南画
- 第4章 文人画ー街に息づく中国趣味
- 第5章 船場派ー商家の床の間を飾る画
- 第6章 新しい表現の探求と女性画家の飛躍
https://nakka-art.jp/exhibition-post/osaka-nihonga-2022/
北野恒富 「いとさんこいさん」 (1936)
小林柯白 「道頓堀の夜」(1921)
深田直城 「春秋花鳥之図」左