構図と確かな描画力、人物の姿形しか書いていないはずなのにそこに意味や思いを表現できるところに感心しました。
また、薄衣の下の着物の模様の表現には驚きました。質感の表現が素晴らしいですが、なぜよりにもよって、そんな難しい題材を選んだのか。
特定の題材へのチャレンジなのか、表現したいことを考えるとその題材を選ばないといけなかったのか。
僕には到底そんな面倒な選択はできそうにありません。
それと、膨大なスケッチ。研究熱心なのと、プロとしての鍛錬、向上心の賜物なのでしょう。
美人画の一番驚嘆するのは、着物や髪飾りの緻密な表現です。よくまあこんな根気の続きそうな作業を続けられるなあ、と思います。制作に何ヶ月もかかるのが頷けます。展覧会に出すようなものは特に細かく、しかもその細部が全体を引き立てているという構成で、本当に素晴らしい。
しかも、こういう手のかかる絵を、それこそ大量に出し続けていることにも驚きました。天賦の才能でしょうね。
素晴らしいアーティストの共通点は、大量の作品を残していることじゃないかと思います。量と質。量が質を生み、質の高い量をさらに生むというサイクルなのか。「1万時間の法則」を思い起こさせます。
比較的初期の作品は、着物の線が太いのは意外でしたが、どうもそれは師匠の影響とのこと、納得。3人の師匠についているようですが、いずれの作風もうまく吸収して、昇華していっているんだなあと、感心しました。
重要文化財である「序の舞」「母子」はじめ、どれも素晴らしい絵ばかりでした。
「序の舞」というと、名取裕子の映画を思い出します。まさに上村松園と母の物語ですが、こちらは画家というよりは女としての上村松園を描いてましたね。
序の舞 1936待月 1944

鼓の音 1938鴛鴦髷 1935

母子 1934
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