基本的にはイミテーション。
写真を引き延ばしてカラーリングを施しただけ。
あるいは商品をそのままコピーして反復しただけ。
作風はインスタント。
展覧会の中でもペインティングしている映像が2つ流れてました。毛沢東と鎌とハンマー。
いずれも床をキャンバスにして、アクリル(と思われる)をペンキの刷毛で無造作に塗りつけてました。
至って簡単です。
過去の巨匠のように緻密さや、驚くような技術は皆無。
それでいて完全にユニークなんですね。
これって WARHOL と一目で分かる。
しかもカッコいい。ポップ。商業的。
そういう文脈では、ポップ・ミュージックにおけるパンクのような精神性を持っているのかもしれません。
なんの意味も持たないポップ・アートと並行して制作された「死と惨劇」シリーズや、ツナ缶のボツリヌス菌で死者が出たことを題材にした「ツナ缶の惨劇」、ケネディの暗殺とアメリカの健康性を表した「ジャッキー」なんかは非常に興味深かったです。
「3つのマリリン」にしても、モンローの死から着想したものですし。
美的感覚からのインスピレーションとは別の「死」という物語性からのインスピレーションを持っていて、この部分ではウォーホルはアーティストだったんだなぁと思います。
晩年の「最後の晩餐」にしても、ウォーホルとカトリックの結びつきを表し、なんとも意外な感じでした。
イラストレーター時代(プレ・ポップ)も含めて、ウォーホルの色々な面を楽しめる展覧会でした。
彼のアート作品の重要なアイテムである映像フィルムを放映していたことも含めて。
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